ぽってりした手触り、ミルクガラスのやわらかな色合いと言えば―そう、みなさんご存知のファイヤーキング。ファイヤーキングとは、アメリカのアンカーホッキング社が1940年代から1970年代まで製作していたテーブルウエアのブランド名のこと。強化ガラスを素材とし、電子レンジやオーブンでも使える耐久性と、色やデザインなどバリエーションの豊富さに人気を得て今も昔も愛され続けている食器たちなのです。

 ファイヤーキングブランドの生みの親であるアンカーホッキング社は、1905年、とあるガラスメーカーに勤めていたアイザック・J・コリンズによって創設されました。工場の近くを流れていた川の名前から取り、会社名を「ホッキング・グラス」とし、たった6人の仲間と50人の従業員から始まったそうです。そしてまたたく間に軌道に乗り、大規模な火災や1929年の大恐慌にも屈することなく成長。1937年には数社のガラス会社との合併により、会社名を「アンカーホッキング・グラス」に変更しました。折りしもアメリカは、経済成長期で大量生産・インダストリアル(工業)デザインまっしぐらの時代。その波に乗るべく、ファイヤーキングという印象深いネーミングのブランドが産声を上げたのは、それから5年後の1942年のことでした。

 明るく豊かで、ハッピーな毎日。そんな古き良き時代のアメリカで、多くの一般家庭で使われていたのがファイヤーキングなのです。シンプルでカラフルで扱いやすく、しかも安い!そう、今でこそ希少価値が認められ高価な値段で取引されていますが、当時はスーパーマーケットでごく安価に販売されていたのです。その魅力は家庭だけでなく、レストランやカフェテリアで業務用としても多く普及していました。そんなファイヤーキングのデザインは、特別なデザイナーが手がけたというのではなく、社内のデザインチームによるものなんだそうです。その後1969年、現代でも馴染み深い「アンカーホッキング」という社名になり、ファイヤーキングは1976年に製造を終えてからも現代に至るまで、全世界でファンを絶やすことなく親しまれています。

CUP&SAUCER
PLATTER
PLATE
コーヒー、紅茶用など通常サイズのカップ&ソーサーと、エスプレッソなど濃いめコーヒーを飲むためのデミダスカップ&ソーサーがあり、シリーズによってサイズも違います。 楕円形をしたプレートをプラッターと呼びます。「プラッター」とひと口に言っても、仕切りがついていたり全体的に丸みを帯びていたりといろいろ。大皿サイズはアメリカ的。 シリーズごとに4パターンずつぐらいの種類があり、どのシリーズも共通して約3cmずつサイズが変わります。プレートの種類が最も多いのは「レストランウエア」シリーズ。
BOWL
MUG
SUGAR&CREAMER
サラダやデザート、チリビーンズなど、細かい用途別に分かれていることが名前からわかります。サイズ違いでセット販売されているものもあり、使い方によって上手に選んで。 特にバリエーション豊富なマグはそれぞれのサイズもバラバラ。同じマグでも製造年代や工場の違いなどによりサイズがミリ単位で変わることもあって、マニア心をくすぐります。 ティータイムのお供に欠かせないのがシュガー&クリーマー。シュガー入れはシリーズごとに微妙に形が違い、フタありとフタなしの2種類が。クリーマーはどれも同じ形です。


1940年代から1970年代まで、さまざまなデザインのシリーズが生まれたファイヤーキング。特別に腕のいい専属デザイナーが手掛けたのではなく、アンカーホッキング社内のデザインチームによって、年代ごとに次々と新しいシリーズが発表されました。中でも代表的と言われる8つのシリーズをご紹介します。

Alice
アリスシリーズ
花柄のエンボスが特徴のアリスは、ファイヤーキングが始まって間もないころのシリーズ。薄手でエレガントなところが人気ですが、製造期間が短かったため状態のよいものは少ないそう。
1945-1949
JaneRay
ジェーンレイシリーズ
放射線状に広がるラインがオシャレな雰囲気。種類が豊富なので、揃える楽しみはひとしお。「ジェーンレイ」という名前は、このシリーズのコレクターの名前だという説もあります。
1946-1965
Swirl
スワールシリーズ
シェルシリーズとよく似ていますが、このスワールはふちがきれいに丸くカットされているのがポイント。ぽってりと丸いフォルムが少しカジュアルなイメージ。普段使いにも○。
1949-1962
Turquoise Blue
ターコイズブルーシリーズ
たった3年しか製造されていないのがもったいないくらい、そのブルーの美しさに魅了される人は多いはず。ジェードと並ぶ人気色なのもうなづけます。形はいたってシンプル。
1956-1958
Restaurant Ware
レストランウェアシリーズ
当時はレストランで業務用として使われていただけあって、厚手で頑丈。ぽてっとした手触りと形のかわいらしさが人気で、製造年数が長く、種類も多いので集めがいがあります。
1948-1967
1700Line/Breakfast
1700ライン/ブレックファースト
なんの気取りもなく、そっけないほどのシンプルさが好印象のシリーズ。レストランウエアと形が似ているものもありますが、全体的に薄手なつくりになっています。
1946-1958
Charm
チャーム
スクエアなフォルムが新鮮なイメージのチャーム。ミルクガラスだけでなく、クリアのグラスウエアにも登場するシリーズですが、刻印のないものが多く、もしあればかなりレアかも。
1950-1956
Shell
シェル
くびれのあるフォルムと上品なうねりがかわいらしさを強調しています。スワールよりもうねりがハッキリしており、ふちの部分がうねりに合わせて流動的にカットされているのが特徴。
1965-1976


ファイヤーキングといえば、翡翠色をしたジェードがなんと言っても代表的。このやわらかい翡翠色は、中国では昔から最も高価な宝石とされてきた翡翠の色を、当時のオリエンタルブームの影響から反映させたものと言われています。ここではマグ、カップ&ソーサー、プレートと、その他のアイテムをジェードを使ってご紹介。それぞれの個性の違いをとくとご覧あれ。

MUG
Dハンドルマグ
レストランウエア
ヘビーマグ
レストランウエア
エキストラヘビーマグ
レストランウエア
6オンスヘビーマグ
CUP
&
SAUCER

アリス
カップ&ソーサー

ジェーンレイ
カップ&ソーサー
シェル
カップ&ソーサー
1700Line/Breakfast
カップ&ソーサー
PLATE
ジェーンレイ
サラダプレート
レストランウエア
11インチ
オーバルプラッター
ジェーンレイ
ディナープレート
レストランウエア
3コンパートメント
プレート
OTHERS
バターディッシュ
ボウルジャグ
バターボウル
1スポウトスキレット
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