私のスイートルーム

 今回は山梨県塩山市の奥脇さんのお宅。といっても、普通のお宅訪問とはちょっと違います。
名だたるカントリー系の雑誌で愛されてきた、カントリー家具職人、奥脇良一氏によるカントリー家具のアトリエなのです。しかもお話は想像以上に素晴らしく、1回では紹介しきれないほど。そこで2回に分けてのご紹介です。前編はカントリーハウスを建てる夢を実現するまでのお話。どうぞ、ごゆっくりお楽しみください。

まだカントリーという言葉が日本で定着していない20年も前から、カントリーを夢見ていたご夫婦がいました。「自然の中で暮らし、自然をいつも感じていたい。」カントリーという言葉よりも先に、胸の中に芽生えていた気持ちでした。
その当時、日本経済も上向きに走り出していた頃。新しいものが評価され、古いものが否定される時代でもありました。その時代の流れに疑問を感じ、目の前から消えていく昔の素晴らしい建築物の姿を見るにつけ、「古いものの温かみ、年月の重みを大切にした家を持ちたい」と考えるようになった奥脇さん夫婦。カントリーハウスという夢の第一歩が、ここに始まります。

 

取り壊し予定の役場を見つけ、建材を譲り受けることも決まり、一挙に進むかに見えた夢の実現。しかし、ここからが本当の苦労の連続でした。通常の建物の取り壊しは、二次使用を考えない、壊すだけの作業。移築ということは不可能です。そこで全ての建材に番号をふり解体をすることになりました。家具職人のご主人とはいえ、家の解体は初めての作業。どこから手をつけていいのか分からない状況が続き、「本当に苦労しました」という奥脇さん。さらに難問は続きます。

 やっと解体し終わった建材ですが、移築予定地は山の中腹、電気、水道はおろか道も何もない場所。当然道を作ることから始まりました。そして建物を建てるための整地、基礎、建築・・・すべて出来るかぎりご主人1人で行った4年という歳月。狭くて急な山道を車で登りきり、まさに目の前にしている建物はご主人の汗と情熱の結晶!なのです。

 圧倒されてしまい、「大変だったでしょうね」と問いかけるしかできなかった私に「楽しかったですよ。とても」と笑う奥脇さん。何だか胸がぎゅーっと熱くなります。

 

 素晴らしいカントリーハウスが出来上がったのが10年前。現在、山の家、と呼ぶその家は、周りの自然に溶け込み落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

 奥脇さんに案内され、お家の中に一歩足を踏み入れた途端、思わずため息が。高い天井、どっしりと太い梁に真っ白な漆喰の壁。2階へつづく扇型に広がる階段は役場時代のものなのでしょうか

 ・・・中でも目をひいたのが、存在感のある家具たち。思わず映画のワンシーンを見ているかのよう!うっとりとしてしまいます。

 家具はもちろんご主人の作。ご主人が家に合った家具を作り、奥様がファブリックや雑貨をコーディネートして出来上がった空間は、シンプルなのに上品な感じがして居心地良く仕上がっています。これも息の合ったご夫婦の合作といったところでしょうか。

 「今も家は成長しつづけていると言えるかもしれません。家を建ててから10年経ちますが、家具や小物など満足に出来上がったのは5〜6年経ってから。毎年ペイントに変化をつけたりと、イメージがどんどん沸いてくるんですよ」奥脇さんのカントリーへの情熱は尽きることがありません。



今回はお宅訪問というより、プロの技拝見という感じかもしれませんね。
かのこも最初はそんな気持ちでお宅を訪問しました。
でも現在のようなカントリーが確立されていない20年も前から夢を実現するためにコツコツとあせらず、
持ちつづけた情熱は「カントリー精神」そのものでないでしょうか?
かのこもその半分でもいいから情熱を持ちたいなあ・・・。
いえ持ってなくっちゃダメなんですよね。

追伸:奥脇さんの情熱はさらにヒートアップ!
現在新しくカントリーハウスをもう一件建てはじめたそうです。
「出来上がりはいつになるか分からないけれど、
これで最後になると思います(笑)」う〜ん最高!

今回ご紹介した“山の家”で、奥脇郷子さんによるホームデコレーション講座が4月より開催されます。
興味のある方は、カントリー教室情報をご覧になるか直接お電話を。
(tel0553-33-7181/奥脇良一アトリエ)



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