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懐かしく可愛いカットクロスを見つけ、手に取ったところ、「これはフィードサックのカットクロスなんですよ」とお店の方の声。
そういえば、フィードサックには今まで興味はあったものの、実際に手に取ったことは初めてでした。
フィードサックのこと、もっと知りたくなって・・・フィードサックをこよなく愛するオスティンあきこさんに語っていただきました。
当時の貴重な資料“フィードサックの小冊子”も必見です。

主婦らによって始まったフィードサックの歴史

19世紀、小麦粉、砂糖、家畜の餌などは木製や金属製の箱が使われていました。しかし、それらは重くかさばり、さびるなどあまり使い勝手の良いものではありませんでした。

 後にミシンが発明され、アメリカ国内での布の生産能力も高まり、1880年頃生成りの布袋となりました。

 19世紀末に大流行したパッチワークキルトが一度廃れ、再び流行したのは大恐慌時代の1930年頃。誰が始めたのかはわかりませんが、それまでずっと生成り布だったフィードサックをプリント柄にしたところ大ヒットとなり、主婦達は競って柄の袋入を買い求めるようになりました。

 そこでどのメーカーもプリント柄の袋に替え、1950年頃までに様々な色、柄のフィードサックがつくられました。柄の善し悪しが商品の売れ行きの鍵となったのです。

 不景気で生活の苦しいなか、主婦達は袋の縫合せのひもを大事にほどき、愛する家族の為に子供服、エプロン、キルト作りに励みました。フィードサックはアメリカンパッチワークキルトの倹約の精神を育み、今もなお独特の風合いとアメリカの昔懐かしさが漂う色、柄で人々を魅了し続けることとなったのです。

アメリカのフィードサック事情

 今でも、アメリカのアンティークショップではフィードサックで作られたキルト、ワンピース、子供服、ティータオル、カーテン、シーツ、帽子、etc・・・・・・色々なものが見かけられます。

 主人(アメリカ人です)の母は現在81歳で幼少時代はまさしくフィードサック全盛期でした。やはり洋服はフィードサックで作ってもらっていたそうですが、これまた丈夫でなかなか新しい服が作ってもらえず、大キライだったという微笑ましいエピソードを聞きました。そんな義母もフィードサックを手に取り『懐かしい〜〜!』と目を細めます。

 アメリカでフィードサックは日本のように手芸やキルト作りにさほど直結していません。それより『何種類持っているか!』というコレクターズアイテムです。フィードサック愛好家達は集会をひらきコレクションを自慢しあったり交換したりしてフィードサックを楽しんでいます。フロリダ在住のコレクターの方は3万種類収集しているらしく現在もまだ増え続けているそうです。それらは純粋に柄違いだけで色違いは含まないというのですからこれまた驚きです。(ほとんどの柄は2〜4色違いがあるようです)

日本でのフィードサック事情

 3年程前はほとんどのお客さまはパッチワークの方でした。その後カントリード−ルで使われるようになり、1年程前からはバックや帽子、布小物の作家さんがとても増えてきました。

 売れ筋は子供、動物、フルーツ、キッチンなどの 『ノベルティー柄』と呼ばれているものです。その当時アメリカでも、これらのかわいい柄は子供服やキルトで随分使われたと私は想像します。

 アメリカでの在庫も少ない上に、みんながノベルティー柄を集中して求めるので、値段はうなぎ上りです。アメリカではここ1年で倍額になりました。(涙)私も買い付けの度にノベルティー発掘には大変苦労しています。

 5年ほど前まではアメリカに行けば簡単に買えたようですが最近は事情が違います。フィードサックを買う為にアメリカに行ったのに1枚も見つけられずに帰ってきたという話も聞きました。それほど魅力的、ということなんでしょうね。

フィードサックの魅力あれこれ

 フィードサックはコットン100%でとても丈夫な上に吸水性がよく、洗濯もどんどんできるのでいろんな作品に幅広く使えます。パッチワークでしたら、いろんな生地を混ぜずにフィードサックだけで作ると仕上がりが全く違い、おすすめです。この時代の染色技術、染料という観点で、いろいろ混ぜない方がトーンが揃うからです。

 しかしお値段も立派なので、最近の小物系ではベースは普通の布を使い、ポイントをフィードサックでという使い方が増えてきたように思います。

 私のイチオシの作品は夏のブラウス。涼しく肌触りがよく着心地満点です。フィードサック フルサイズ1枚で半袖ブラウスができます。(当時は作り方の小冊子なども出回っていたので、きっと沢山の人々がブラウスとして楽しんでいたのでは・・・そう想像するだけで、気持ちもワクワクしてきます。)

 しかし、人気の高い今では、柄次第でとても高価なものになってしまうので、大柄系のお値段小さめを狙ったらいいと思います。
色合いや風合いはもちろん、様々な生かし方が楽しめるフィードサック。あなたのお気に入りの柄は見つかりましたか?


作品資料・取材協力(掲載の商品・資料はこちらのショップからお借りしました)
Antique Quilts & Feed Sacks「グランドマザーズアンティークキルト」
オスティンあきこさん

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