庭では、初秋の宿根草の花が終わり、霜が降りるまで咲き続けるセージ類がまだ元気に咲いています。店先には、カラフルなパンジー、ビオラ、プリムラなど冬の間も咲き続ける草花やシクラメンが並び、園芸店に行くとついつい買ってしまうという方も多いのではないでしょうか。そして、そんな草花類と組み合わせると、可愛らしさがいっそう増す球根も思わず衝動買いなんていう方も・・・でも・・・

「いつまでに植えればいいの?」
「植えっぱなしで毎年咲いてくれる球根は?」
「春花壇の定番、チューリップやムスカリも最近はちょっと変わったタイプもあるけどどうなの?」

そんな球根の疑問に答えつつ、可愛いいのに、丈夫で毎年咲いてくれる球根を集めてみました!

  特徴 栽培のポイント 写真
ムスカリ・ラティフォリウム
ヒアシンス科草丈
10〜20p花期4月
花穂の下の部分は濃い紫だが、上のほうは薄い水色でまるで帽子のよう。幅広の葉は1〜2枚で直立し、花とのバランスが良く、葉っぱが邪魔にならない。 暑さ寒さに強い。庭植えなら、植えっぱなしにできる。地植えの場合、2〜3年は堀り上げないほうが良い。半日陰でも育つ。
ムスカリ・コモサム
ヒヤシンス科草丈
15〜20cm花期4〜5月
まるでラベンダーのような姿。ムスカリとは思えないような咲き方が魅力的。 ムスカリは庭植えするなら5〜10球くらいまとめて植えると引き立つ。
ムスカリ・バレリーフィネス
ヒヤシンス科草丈
6〜10cm花期4月
淡いラベンダー色の花が美しい。葉があまり伸びず、花とのバランスが良い。個々の花がらせん状についている。 庭植え、鉢植え、どこでも育てられる。鉢植えの場合、葉が黄変して来たら堀り上げ、涼しい日陰で保管する。
ムスカリ・アルメニアカム
ヒヤシンス科草丈
10〜25p花期4月
ムスカリの中でも一番代表的な品種。茎が長いので、切花にも向く。群生させると見栄えがする。 10月に植えると、葉が伸びすぎてしまうので、葉を短くするなら、11月以降に植えつけると良い。植えっぱなしで良く増える。こぼれ種でも。
チューリップ・クルシア
ナユリ科草丈30cm
花期4〜5月
レディー・チューリップ(貴婦人のチューリップ)とも呼ばれる。細身の葉と茎、花のバランスが良い。濃いピンクと白の花弁が特徴的。 非常に丈夫。水はけさえよければ球根からランナーが出てあたり一面に広がっていく。日光が足りないとヒョロヒョロになりがち。日当りの良い場所へ。
チューリップ・バタリニー
ユリ科草丈10〜15cm
花期4〜5月
上品でマットな印象の黄色ふっくらした感じで可愛らしい。花径は4cmほどで小さめ。細めの葉も邪魔にならない。 栽培は容易。日当りと水はけの良い場所に植える。
クロッカス
"クリーム・ビューティー"

アヤメ科草丈5〜8cm
花期2〜3月
寒咲きクロッカスの1品種。早春の花壇の定番にしたい。淡いクリーム色が優しく、上品な感じ。 より早く咲かせるには、陽だまりになる場所へ植えると良い。11月以降半日陰のところに植えると遅く咲く。
クロッカス
"キング・オブ・ストライプ"

アヤメ科草丈
10〜12cm
花期3〜4月
春咲きクロッカスの1品種。淡い紫に濃い紫の筋が入った花色が美しい。最近のクロッカスには定番の黄色や紫以外に色々な花色がある。 丈夫で育てやすい。一度植えると毎年出てくる。芝生の中に植えて点在させても可愛い。水栽培も可。
イングリッシュ・ブルーベル
ヒヤシンス科
草丈20〜30cm
花期4〜5月
ベル状の小さな青色の花をいくつもつける。花には芳香がある。イギリスでは公園などに植えられている。イングリッシュガーデンには欠かせない。 ウッド・ヒヤシンス(森のヒヤシンス)とも呼ばれるように、明るい日陰や落葉樹の下などに植えると良い。深植えにして何年も植えたままにすると群生して見事な株になる。
シラー・カンパニュラータ
ヒヤシンス科
草丈30cm
花期4〜5月
ベル形の小花を花茎にいくつもつける。イングリッシュ・ブルーベルに似るが、芳香はなく、華奢なあちらに比べ、葉も茎もしっかりした感じ。 イングリッシュ・ブルーベルト同じ。乾燥に弱いので、植え替える時は掘りあげたらすぐに植え替える。但し土が濡れていると腐りやすい。植え替えの適期は花後、葉が半分くらい黄変したくらい。
シラー・シビリカ
ヒヤシンス科
草丈5〜8cm
花期2〜3月
青紫の星型の花が可愛い。春早いうちに咲き始め、長い間楽しめる。早咲きのクロッカスと合わせても。 非常に丈夫なので、園芸初心者でも簡単に育てられる。半日陰でも育つ。小さいので庭植えの場合は、たくさん植えたほうが見栄えがする
プシュキニア
ヒヤシンス科
草丈5〜10cm
花期3〜4月
小さな白い花びらに青い筋が入り、なんとも可愛らしい。一つの茎に星型の花をいくつもつける。 日当りを好むが、落葉樹の下のような半日陰でも育つ。たくさん植えて群生させたり、芝生の中に植えたり、木陰に植えると自然な雰囲気。こぼれ種でも増える。
アイリス・レティキュラータ
アヤメ科
草丈10〜15cm
花期2〜3月
ミニのアイリス。色は黄色系白系もある。草丈に対して花が大きめで見ごたえがある。 庭植えでも鉢植えでも。水はけと日当りの良い場所に植える。
ハナニラ
ネギ科
草丈5〜15cm
花期3〜4月
上向きに咲いた星型の花が印象的。白い花だが、わずかにブルーがはいる。花色はほかに紫や青紫、最近ではピンクもある。 非常に丈夫で庭に通路や際に植えると群生して見事。半日陰でも育つ。
スイセン・バルボゴディウム
ヒガンバナ科
草丈10〜15cm
花期3〜4月
ペチコートスイセンとも呼ばれる。カップ型の花形が可愛いい。花の周りの花弁が細くとがっている。花つきが良い"ゴールデン・ベル"という品種が人気。 日当りを好むが、半日陰でも。庭植えでは2〜3年は植えっぱなしで大丈夫。鉢の場合は葉が黄色くなったら堀り上げて、風通しのよい日陰に保存し、適期に植える。
ヒヤシンス"オデセウス" 人気のアプリコット色のヒヤシンス。 庭に植えるとそのままで毎年咲いてくれる。何もしないとだんだん花が小さくなる。

今回ご紹介した球根は、原種系の丈夫な球根が多く、育てやすい品種ばかりです。小型のものが多いのでベランダでの小さな鉢植え栽培もおすすめです。最後に共通する育て方をご紹介します。

1 植え付けの適期
  10月から11月が適期ですが、種類によっては10月中に植えたほうが良いものやムスカリのように、遅めに植えて葉を茂らせないようするものもあります。球根が腐っていたり、スカスカしたりしていなければ、東京などでは1月頃植えても咲いたことがありました。ただし、秋植え球根は寒さに当たらないと花芽がつきません。水耕栽培のように室内で育てたい場合でも、一ヶ月以上の寒さが必要です。

2 土作り
秋植え球根は、夏は乾燥気味で冬は雨季になる地中海性気候のものが多く、夏、高温多湿になる日本の気候とは異なります。たいていの品種は日当りと風通しの良く、水はけが良く、弱酸性の土を好みます。耕したら完熟堆肥や腐葉土を混ぜ、酸度調整のために苦土石灰を加えます。ミリオンなどの土壌改良剤でも。プランターでは市販の草花用培養土を使うのが一番簡単です。鉢底石を入れて水はけを良くしましょう。

3 植えつけ方
庭植えの場合は、球根の高さの2〜3倍の土がかかる深さに植えます。植えっぱなしにする場合は成長を考えて、球根2つ分の間隔をあけて植えます。一年目で群生させたい時は、もう少し詰めて植えても良いでしょう。

4 水遣り
芽が出ていなくても、一度生育を始めた球根を完全に乾かしてしまうと根や芽が傷んで、花が咲かなくなってしまいます。地植えの場合は基本的に水は要りませんが、鉢植えの場合は、パンジーやビオラなどの草花を一緒に植えると水を忘れません。冬は暖かい日の午前中に鉢底から流れ出るくらいのたっぷりの水を、夏は暑くなる前の午前中か、夕方の涼しいときに。

5 花が終わったら
ここで紹介した球根は植えっぱなしで大丈夫です。原種系が多いので、肥料もあまり要りません。花後花ガラを摘みます。葉は球根を肥らすための光合成のために残しておき、黄変するまで切らないほうが良いでしょう。


何年も植物を育てていると、何回植えても自分の庭の環境にあわない植物があるのがわかってきます。でも一般的に植えっぱなしで丈夫といわれるものは、概ねどんな環境でもOKなようです。球根を植えると、可愛い芽吹きを眺めながら、春の訪れを待つ冬の楽しみも増えますよ。




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