今年は“暖かい”というより暑いくらいの日が多く、お花の開花もいつもに比べて、10日から2週間くらい早いですよね。あっという間にバラも咲き始めてきています。この時期はそれでなくても、花の手入れに忙しい季節。毎日お庭で作業、というガーデナーも多いのでは。今回ご紹介するKさんも毎日お庭での作業は欠かせないという、根っからのガーデナーです。

間口はおよそ3m。車を入れたら、人がひとりようやくと通れるスペースがKさんのガーデニングスペースです。でもKさんのお庭の魅力はその細く、長いアプローチにあります。通りすがりの人も思わず足を止め、奥を覗きたくなるような、見る人を誘う工夫に溢れているのです。

決して広くはないその入り口の両側にオリーブや月桂樹を植え、ハニーサックル、ハゴロモジャスミンなどを絡ませています。狭いからこそ立体的な風景作りが必要なんですね。


入り口にいくつか置かれたコンテナガーデンもKさん流。一種類の植物を一つのコンテナに植えて、溢れんばかりに咲かせています。伺ったその日も白いマーガレットやスイートアリッサムがこぼれるように咲き、印象的でした。

アプローチの丁度中間くらいに置いてある白いテーブルセットは、入り口からのフォーカルポイント。テーブルセットを覆うようなアーチに絡んだエルダーが心地よい緑陰を作っっていました。エルダーの乾燥させた花は花粉症に効くハーブとして、最近では良く知られるようになりましたが、こんなに大きく育てている人はあまりいません。「もうじき咲く白い花もとても香りが良く、丈夫ですよ」と教えてくれました。この立体的なアーチが奥への期待感を高めています。




「私の庭はそんなに見るところはないのよ。日陰も多いし」という謙遜するKさん。でも「好き嫌いがはっきりしてて、黄色のお花は植えない」というこだわりの部分もあります。確かにKさんのお庭で黄色のお花が目立つように咲いているのを見ることはありません。白や紫、ブルー、ピンクなどの優しく、大人っぽい色目がお気に入りです。「あまり色を使うとゴチャゴチャした感じになりますね。丈夫といわれて植えてみても、お花には悪いけど、好きでないものはなくなりますね」。Kさんの植物のセレクトのポイントは“好きか嫌いか”と、実に単純明快。考えてみれば花なら、何でもいいというわけでなく、自分の好きな花に囲まれていたい、というのは当然ですよね。




話を伺っていると「これはこんな風に手に入れた」とか「これは○○さんにもらった」というエピソードが次々と出てきます。ガーデニングを通じたお友達と一緒に苗を買いに行ったり、交換し合ったりしているのだそうです。
自分ちにないものをいただいたり、あげたりすることは、手持ちの植物が単純に増えるだけはありません。互いの庭を行き来し、花の話題でおしゃべりし、お花がとりもつご縁が広がります。
大好きなガーデニングが毎日できて、共通の話でおしゃべりできるお友達がいる生活。ささやかな贅沢ですが、いつまでも持ち続けたい時間ですよね。

 


Kさんちは、私がお買い物に行く通りの途中にあります。いつもいつも立ち止まり、つい中を覗いてしまっていたのは、実は私でした。気になるお宅って、つい声をかけたくなってしまいませんか。


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