桃の節句に“さげもん”を飾ってみませんか。



清清しい気持で迎えた2007年。
今年も、カントリーファンをどうぞよろしくお願いいたします。

新年を迎えると、さっそく「桃の節句」を楽しむ光景が至る所でお見受けできる今日この頃・・・
「お雛様」は女の子がいるうちだけのお飾りではなく、
最近ではインテリアの一つとして、様々な素材やデザインのお雛様が目を楽しませてくれています。
中でも、今回ご紹介するのがちょっと変わった「さげもん」。
「“さげもん”って?」と、クスッと笑いたくなるような愛嬌タップリの呼び名ですが、
実は立派な伝統工芸品なのです。

近年の“吊るし雛”ブームから、その名も、徐々に知られるようになりましたが、
普通のお雛様に比べると、まだまだご存じではない方も多いようですね。
“和”の色の濃い「さげもん」ですが、カラーやデザインも様々だから、
カントリー調にもかわいらしくアレンジできそうですよ。






“三大つるし飾り”の一つ「さげもん」
日本全国においては、今も大切に受継がれている“つるし飾り”がいくつかありますが、中でも、柳川の「さげもん」、伊豆の「吊るし」、酒田市の「傘福」の三つが“三大つるし飾り”と呼ばれています。今回ご紹介する福岡県柳川市にて伝承されている「さげもん」は、「ひなもん」や「さがりもん」などと様々な呼ばれ方をすることがあるようですが、「さげもん」が正式な表記とのことです。]

福岡県柳川市では、女の子が生まれると、その子の一生の幸せを願って、母親、祖母、親戚、知人などが手作りの「さげもん」を贈るという風習があり、雛壇を引き立て役(右写真)として賑やかに飾られます。

その昔は、雛壇を用意できない家庭でも、せめて初節句を祝ってあげたいという親心から、着物や布団のハギレで「さげもん」が作られたとも言われています。
 柳川の4名のおばあちゃん達で
作られるさげもんの代表作

7列の赤糸のさげ輪に、それぞれ“ちりめん細工”と“柳川まり”を交互に7個、計49個を、さらに中央に大まり2個を加えた計51個を吊るすのが「さげもん」の基本形とのこと。これは人生五十年よりも、長生きできるようにとの願いがこめられているとか。
また、過去・現在・未来・・・いつの時代も変わることのない女性としての美しさ、強さ、誇り等々を身に付けてほしいという切なる親心がその一つ一つの飾りに込められています。元々の基本形の飾り方は、上段に飛ぶもの、中段に山のものや木になる(咲く)もの、下段に水中のものとされていましたが、今は、次のような「さげもん」が多いようです。

 ≪ちりめん細工の吊るし方≫
  ・上段:華、鳥、野菜
  ・中段:海のもの、動物
  ・下段:這い人形
  ・3段の間には所々に柳川まり

また、生活に困らないようにという願いを込めて、ちりめん細工とちりめん細工の間の紅糸に、お金に見立てた三角や四角の金紙を貼り付けるなど、基本形にはちゃんとお決まりがあるのですが・・・、かなり大きいこともあって、飾り物を減らした中サイズ、小サイズのもの、ガラスケース入りなど、伝統を受継ぎやすく現代風にアレンジされたものも多く出回っているようてす。

また、最近の“吊るし雛”ブームに乗って、手作りの「さげもん」作りにチャレンジする方も増えてきたとか。
鮮やかなリリヤーンで巻かれた球形の柳川まりを真似て作るには、かなりの技を要しますが、ちりめん細工は型紙があれば、独学でも案外簡単にできるとのこと。うちにあるハギレで動物や食べ物を少しずつ作るのも、楽しそうですよ。

ちりめん細工にもそれぞれの意味が・・・
土の中に何年もいて、辛抱の象徴、元気な産声
子沢山
蛹から蝶へ。きれいに着飾らせて嫁に出したい親心
おとなしく、でも雪山を元気に遊びまわる
子どもを大事にする。元気に遊びまわる
鳩(カナリヤ)幸せと平和のシンボル(美しい歌声)
ひよこかわいらしさ、あどけなさ
朝、早起きで、つがいで仲良く卵を温め育てる
鶴(亀)長生き
唐辛子小さくても、ぴりっとしている
梅(花)寒さに耐えて、春にさきがけて咲く
みんなを楽しませる
桃(実)完成
みかん城内の宮川家のみかん
桔梗(ききょう)ものしずかで、上品な花
おくるみ人形生まれたばかりで、かわいい赤ちゃん
這い人形生まれて、はいはいするようになった親の喜び
袖振り人形「はえば立つ。立てば歩け」の親心
三番叟(サンバソウ)祝いの席の舞
おかめ女は愛嬌美人になりますように
瓢箪(ひょうたん)無病息災
宝袋心の豊かさ
蛤(はまぐり)二夫にまみえず
金魚ゆるやかに泳いで、人の目を楽しませる。
海老年老いて、腰が曲がってもなお元気
春を告げる、栄養豊富


今年の桃の節句の御祝に「さげもん」を飾られてみてはいかがでしょうか。数ある中から、インテリアにあわせて、色やデザイン、大きさ選ぶのも、楽しいもの。雛壇を華やかにするだけでなく、繊細な日本の心を感じることができ、自然と顔がほころびそうですね。それだけ飾っておくだけで、幸せがふうわり、舞い込んできそうな気がしませんか。

柳川では、さげもん作りのできる熟練された方が高齢化し、お1人が手作りできる「さげもん」も年に数点が精一杯とか。幸せを願い、一針一針丹精込めておばあちゃま達が手作りされる個性あふれる「さげもん」は、とても貴重なものだということですね。








「さげもん」にも、お雛様用だけでなく、
干支にちなんだもの、
また、男の子に「端午の節句」用の
「さげもん」も。

豪華な「さげもん」も素敵ですが、
こんなシンプルなものも
キュートで素敵。

インテリアのアクセントとして、
お気軽に飾って「さげもん」を楽しんでみては
いかかでしょうか。



柳川さげもん美草
さげもん美草

桃の節句に、雛壇の前に吊りさげられる、つるし飾り・・・「さげもん」をご紹介。
福岡県柳川市に今も大切に受継がれている伝統工芸品です。

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