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■虹の向こうへ ( )内はフランス語
「こんなに空を飛ぶって、楽しいとは思わなかったわ!小さな事で、くよくよ悩んでいるのがくだらなく思えるわね!そして、太陽はとても大きくて暖かいわ!私、太陽のように、大きく暖かな心になりたいわ」と、キャメルは上を見上げて言うと、くるくるっと一回転して、プルグリムのおなかの下をくぐってみせました。「すごいよ!君がこんなに元気になるなんて!僕だって嬉しくなっちゃうよ」と、プルグリムは優しく微笑んで、キャメルの顔を見つめていました。キャメルは、急に心が熱くなって、頬が、真っ赤なサクランボ色(スリズクルール)に染まりました。どこまでも続く大空を、プルグリムとキャメルは仲良く寄り添って、虹の向こうへと進んでいきました。
■はじめての町コルマール
しばらくすると、プルグリムが前方を指差して言いました。
「ほら、虹が見えてきたよ!あの虹のかけ橋を越えると、コルマールだよ!」
「うぁーとても大きな虹ね!あの虹のかけ橋を越えると、コルマールなのね!」と、キャメルは言いながら、胸をワクワク弾ませていました。その内に、虹のかけ橋がだんだん目の前に、七色に、大きく広がってきました。プルグリムは、何やらあわただしい様子で言いました。「さあ、虹のトンネルをくぐっていくよ!急いで僕の手をしっかり握りしめて離さないで!」キャメルは、何がおこるのか理由がわからないまま、プルグリムの手をしっかりと握りしめました。すると、どうした事でしょう!突然、嵐のように強い風が吹き出して、辺りは風の色で真っ白に見えました。「きゃーいきなり強い風が吹くなんてどういう事なの?」と、キャメルは、コートのフードを頭にかぶって、片手でフードを押さえました。すると、風はもっと強く吹いて、とうとうキャメルとプルグリムは吹き飛ばされてしまいました。プルグリムとキャメルは強い風の力で、くるくると回転しながら吹き飛ばされてしまったのでした。「プルグリム何処なの?」と、キャメルは必死に手探りでプルグリムを捜しもとめましたが、いっこうに、プルグリムはつかまりませんでした。
しばらく、キャメルは一人で強い風の吹く空中をさまよっていましたが、その内に風は収まり、何事もなかったように、おだやかな青空が見えてきました。キャメルは、風が収まっても、こわくてじっと目を閉じていました。
すると「もう大丈夫だよ」と、優しいプルグリムの声が聞こえました。「プルグリム何処にいるの?まだ目がくるくる回って、自分の体がどうなっているのかわからないわ」とキャメルは、フラフラと空中で回転しながら、空中をさまよっていました。
「大丈夫だよ!もう竜巻は過ぎ去ったよ!」とプルグリムはキャメルに言いながら、キャメルの頬を、パチンパチンと優しく手の平でたたきました。「あっ、やっと目まいが止まったわ」とキャメルは言いながら、そっと目を開けてみました。すると大空は、元のおだやかな青い空に戻っていて、すぐそばにプルグリムは気持ちよく空を泳ぐように飛んでいました。キャメルはほっとした表情をしながら、静かにプルグリムのそばに寄り添うと、元のようにゆっくりとはらばいになって、手足を動かしながら進みました。「びっくりしたわ、いきなり竜巻がおこるなんて。それも上空なのにどうした事なの?」とキャメルはプルグリムに尋ねました。
「虹のかけ橋を境に、気流がぶつかりあっているんだよ。だから虹のかけ橋の真下は、竜巻が発生しているんだよ。虹を越えたからもう大丈夫だよ。さあ、もうすぐコルマールだよ。ほら、下を見てごらん」とプルグリムは言いながら、目の前に広がるコルマールの町を指差しました。「本当!リクヴィールの村とちがって、建物が沢山あるわ!いろんな木組みの家や、白い壁や、黄色の壁や、あっピンクの壁!私の大切なリクヴィールの家もピンクの木組みの家なのよ」とキャメルは言いながら、まじまじとコルマールの町を、空の上から眺めていました。「さあ、そろそろ町へ降りるよ。手をつないで」とプルグリムは小さな両手をキャメルに差し出しながら言いました。キャメルはしっかりと、プルグリムの小さな手を包み込みました。それからプルグリムは、「さあ、立ってごらん」と言いながら、ゆっくりと空中に立ちあがりました。キャメルもゆっくりと、空中に立ちあがりました。するとプルグリムとキャメルは空に浮いて、ふんわりとゆっくり下へ降りはじめたのでした。下に広がる景色はだんだん町の建物や、道路が大きく広がって見えてきて、キャメルの胸はドキドキときめいてきました。「すごいわ!なんだか町がキラキラ輝いてみえるわ!まるで魔法の国みたい!」と感嘆の声をあげました。
さあ、いよいよコルマールへ降り立つプルグリムとキャメル。これからどんなお話が待っているのでしょうね?そして、今回のタイトルの絵でプルグリムが持っている丸い物は、いったい何でしょうね。お楽しみに。
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今回のタイトルの絵(物語の表紙絵)について
ピアノ教師である私は子供たちに、ピアノの美しい音色を表現する時の気持ちのようにいつも希望に輝いて生きてほしいという思いがあります。
今回の絵は、その願いを込めて描きました。
「プルグリムの持っている丸い物は魔法のアメ?食べたい」「この絵を見ていると心が安らぎますね」などと、数々の方々から嬉しいお言葉をいただきました。 |
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| 人と、自然とのふれあいから生まれた妖精プルグリムの森
私は30年ほど前からピアノ教師をしています。私はこれまで生徒たちと一緒に、森で演奏会を開いたり、キャンプをしたりして、生徒同士の交流を深め、音楽と自然との調和を大切にしながら、様々な音楽活動を行ってきました。そしてそれは今も続いています。
先日、新緑の美しいこの季節に、子供たちの全員で春の遠足に出掛けました。
生徒たちは、お弁当や、お菓子の入ったリュックを背中に背負って、そして手には、笛やピアニカを持ちながら教室にやってきました。みんなウキウキして、とても楽しそうな表情をしていました。
電車に乗って目的地に着くと、太陽の光がさんさんと降り注いでいました。
私も生徒も嬉しくなって、みんなで一斉に駆け足で、広い野原へ向かいました。そしてそれぞれ色とりどりの敷物を、若葉の繁る野原に敷いて、手作りのおいしいおにぎりや、サンドウィッチを口いっぱいに頬張りました。
しばらくして、「みんな、こっちへいらっしゃい」という私の掛け声で、生徒たちは皆一斉に立ちあがりました。全員手には、笛やピアニカを持っています。そして全員が私の周りに集まって、まん丸い一つの輪になりました。それから生徒たちは思い思いに笛やピアニカを吹きはじめました。「はい」私の合図で全員揃って合奏を奏でました。野原の真ん中で、生徒たちは皆のびのびと力いっぱい笛やピアニカを吹いていました。広い広い野原の遠くまで、春風と一緒に笛やピアニカの音色が流れていきました。
演奏が終わって「音楽って楽しいね」って一人の生徒が嬉しそうに私の顔を見て言いました。私の周りで、みんなのニコニコする笑顔がキラキラ輝いていました。
「次は、夏のお泊まり会ね。沢山御馳走を作りますから、教室でいっぱいピアノを弾いてね」と私が言うと、もう一人の生徒が「ピアノ大好き!お泊まり会で一番目に弾きたい」と目を輝かせて言いました。
こうして私の教室は、一年中行事で盛り沢山なのです。
私は30年前に、初めてカントリーな風景の中にある教室で、ピアノを教えた生徒たちの事を今でも忘れません。
その教室を私が去って行く時、お別れの日に、生徒たちはみんな集まって、私に、グランドピアノの形をしたオルゴールを一つ手渡しました。私がそっと蓋を開けると、ベートーベンのピアノ曲エリーゼの為に〜の曲が流れてきました。「ありがとう!」「先生も元気でね」去っていく私の車の後から「先生ー」「先生ー」と大声で、生徒たちはいつまでも追い掛けて別れを惜しんでくれました。
その時のオルゴールは、30年経った今でも、変わる事もなく、蓋を開けると、30年前の別れの日と同じ音色が聞こえてくるのです。
誰でも、音楽が好きになれば、毎日の練習だって楽しくなるんですよ。
小さな妖精プルグリムが住む森や、蜜蜂色の壁とオレンジ色の屋根の可愛い家に住むマーガレットを思い浮かべてピアノを弾いてごらんなさい。きっと、おとぎ話の夢の世界が広がりますよ。
あかまつようこ
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▼妖精プルグリムとお菓子の国
Vol.1「キャメルと小さな木組みの家」
Vol.2「とても悲しい出来事と不思議の森」
Vol.3「不思議の森の中へ」
Vol.4「不思議の森の住人トリーアングルペルソンヌと、こわい森」
Vol.5「こわい森と、森の妖精プルグリム」
Vol.6「不思議の森からコルマールの町へ」
Vol.7「虹の向こうへ〜はじめての町コルマール」
Vol.8「美しいコルマールの町」
Vol.9「マシュマロの形をした弟アルベルト」
Vol.10「空へ飛んでいった生クリーム」
第一話「妖精プルグリムの森」は全国の書店にて好評発売中。

好きな音楽を聴きながら読む芸術童話。クリスマス、バースデープレゼントにもどうぞ。カントリーファンに贈るヨーロッパを舞台とした、かわいい伽話。幸せを呼ぶ不思議な妖精プルグリムの世界へ行って主人公マーガレットと一緒に、物語を冒険しましょう。
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| 四六判・上製・72頁 定価1,365円(税込)
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■ ブックサービス(送料210円でお届け。)
フリーダイヤル/0120-29-9625
携帯・PHS/03-3817-0711
■ インターネット
「yahoo」のショッピングか等からもご注文頂けます。
※全国書店発売ですが、初版の為冊数が少ないので、インターネットや、ブックサービスなどがおすすめです。(すべての書店で注文可)大阪では「住之江水嶋書房」「ヤマハ心斎橋書籍」宮崎では「田中書店」などが多く冊数有ります。
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☆内容・挿し絵に感動されて、大阪日日新聞さん、宮崎日日新聞さんに取り上げていただきました。 |
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http://www.bungeisha.co.jp/search/detail.php?bid=21973
東京都新宿区新宿1-10-1 TEL.03-5369-2299 FAX.03-5369-3066
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