スケッチブックのなぞ
「魔女!」3人のキャンディーたちは、口をそろえてさけびました。「ほら、ここ!魔女の後ろ見て!」グランがさけびました。3人のキャンディーたちは絵に顔を近づけて、じっと見つめました。「写ってる!じゃなくて、描いてあるわ!」「僕たちの姿が、魔女の後ろに描いてあるよ!」よく見ると、魔女の後ろに、お菓子のお城が描いてあって、お城の2段目に小さく3人のキャンディーたちの姿が描いてありました。そして、その右端に、1700年6月の出来事〜ピーターという文字が書いてありました。
「ピーター?思い出したわ!」「そうだ!ピーターっていう男の子が、お城に迷い込んできて、『どうすれば強くなるの?』って僕たちに尋ねたんだ!今その時の事が、はっきり甦ってきたよ!」「だとすると、ピーターは、おじいさんのお父さん?」キャンディーたちは、一斉におじいさんを見つめました。「なんという事じゃ!それで、あんたがたは父になんと答えなすった?」「お城中のお菓子を食べつくして、3階のらせん階段から、堂々とコルマールの町を見降ろして帰れば、強くなれるわって言ったわ」ポムが言うと、おじさんは、目にいっぱい涙をためてキャンディーたちに話しました。「なんと!父は、あんたがたに元気付けられたんじゃな!あんたがた3人は、10年後に父に会い、それから90年後にわしの元へ現れたんじゃ。これは、ひょっとして神様のいたずらかもしれんなー。あんたがたは天使のように美しい心をもっている。きっと神様は、あんたがたに、もう少しコルマールに居てほしいと願っておられるんじゃよ。コルマールの町を幸せにしてほしいと、思っておられんじゃ。きっと時がくれば魔女に会えるさ。スイスへ帰れる。そうじゃ!あさってコウノトリがここへやってくる。わしがコウノトリに、あんたがたを魔女のところまで運んでくれるように頼んであげるよ」「おじいさん、ありがとう!」キャンディーたちは、おじいさんの腕にしがみついて喜びました。「あんたがたがここへきて、わしも生き返ったようじゃyハハハハ。これこれ、そんなに動くとスケッチブックが落ちる」と、その時スケッチブックの間から、一枚の古い紙きれがハラリと、床に落ちました。
おじいさんは、急いで紙きれを拾って目にしました。すると、古めかしいインクの文字がぎっしりと書いてありました。「おお、父の字じゃ!」おじいさんは、床にひざまづいて目を細め、声を出し読みはじめました。
愛する息子ジェフへ
『ジェフへ〜おまえが、りっぱなきこりになるまで、家へ帰らないと、わしに言い残して家を去ってから、毎日毎日わしと母さんは、おまえの帰りを待っていた。あれから何年たっただろうか、今では、わしも母さんも、すっかり年を取ってしまった。しかし、わしと母さんは昔と変わらず、おまえの帰りを待っている。雨の降る日も、嵐の日も外へ出て、いちごの傘を持ち、ふたり並んでおまえが帰ってくる日を楽しみに待っている。わしと母さんは、100年たっても200年たっても待っているぞ! そう、あの森の一番高い木の根元でな!』

「おじいさん!この2本の木は、お父さんと、お母さんかもしれないよ!」ミエルが言うと、「きっと、おじいさんは、お父さんと、お母さんの胸に抱かれているんだよ!」とグランが言いました。「そうだな、そうかもしれない。あの時、この2本の木がここへ住んでくれと言ったんじゃ。よく見ると、2本の木の幹に大きな2つの穴が開いていたんじゃよ。わしは穴の中に身をうずめた。すると、とても温かくてな、死ぬのをやめたんじゃ。そして、わしはここにいちごの家を造ったんじゃと、おじいさんは涙ぐんで言うと、その先を読み続けました。」『一つだけ、おまえに頼みたい事がある。わしが出来なかった仕事を引き受けてほしい。それは、コルマールの町で寂しい思いをしている人々を助ける仕事、特に子供たちを元気にしてほしい。おまえは、子供の頃から森の自然が好きだったからな、そう、あの森が望みをかなえてくれるにちがいない!森の地中には、命の水が流れておるからな!世の為に役立つ事が、一番の幸せ者だぞ〜父ピーターより』

おじいさんは読み終えると、袖で涙を拭き、天井を見上げ目を閉じて、しばらく黙っていました。
「おじいさん!つくろう元気になる森を!」「私も手伝うわ!子供たちは、未来の大人たちになるんだもの。未来の町や村を豊かに明るくするには、子供たちに元気になってもらう事だわ!」「そうだよ!魔女をさがすのは、それからでも遅くないよ。僕もがんばるよ!」3人のキャンディーたちは、おじいさんの右手の指を握りしめて言いました。
めずらしいお客
おじいさんは、しばらくして目を開け、キャンディーたちの方へ目を向け「わかっておる!わしは、どうすれば子供たちを元気に出来るか考えておったんじゃ!」と言うと立ち上がり「おお、そろそろパラソルの下に、お客が来るころじゃ」と言いながら、あわてて扉を開け外へ出ていきました。
「おじいさん!ちょっと待ってよ!」「おじいさん!どうやってつくるの?元気になる森!」「めずらしいお客ってだれなの?」キャンディーたちは、おじいさんの後ろから、さけびながら走っていきました。「しーっ、めずらしい客がきておるぞ!」「ほんとだ!可愛い!」キャンディーたちと、おじいさんは、大きな木の後ろに隠れてパラソルの下の、めずらしいお客を眺めました。
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