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吉川邸筆とアクリル絵の具で、可憐な花の絵を家具やお気に入りの雑貨たちに描く。
そんなトールペイントが大好きで、教室に通って腕を磨いていらっしゃる方も多いと思います。
絵の具を含んだ筆先に気持ちを込め、花びら一枚いちまいを大切に描き重ねていく。ペインターにとって至福の時…。
思えば初めて筆を手にしたとき、先生の作品を見て「私もこんな風に描けるようになるかしら」と、不安と期待でドキドキしませんでしたか?
初めて自分の作品が出来上がったときは、うれしくて思わず抱きしめたりして。

そんな生徒さんたちに一つ一つ手ほどきして、ペインティングの喜びを教えてくれる、ヨーロピアン・トールペイントの先生にお話を伺うことができました。



ひとことでトールペイントと言っても、その種類は多彩。
使う筆一つとっても平筆を使うもの、丸筆を使うものと、タッチもいろいろです。
題材も花だけでなく、動物や人物、建物などを描くものも。

ブルンピアハウス(小さな花の家)と名づけられた自宅アトリエで、教室を開いていらっしゃる吉川栄子さんは、テーマを大好きな“花”と定めています。今までさまざまなタイプのトールペインティングを試し、その経験で得た手法をボーダレスに取り入れて、独自の世界を創り上げてきました。

「花を描くから“フラワー・ペインティング”と呼んでいます。形式にとらわれずに楽しんで描きたいので…。」

そう語る吉川さんのお宅は、福岡の閑静な住宅地に建つ瀟洒な洋館でした。

ネームプレート  最初から教室を開こうと思っていたわけではありません。
 ペインティングとの出会いは、今19歳の娘が幼稚園の年少組の頃でした。
 本当はチャイナペイントを習いたかったのですが、どこで習えるか分からなかったし、子どもも小さかったので割れ物を扱うことができませんでした。
 たまたま幼稚園のお迎えの時に、アッセンデルフト・ペインティングの道具を持っているお母さんがいて、近くで習えるのならばと思いすぐに始めました。ずっと子育てに専念していたので、新しいことにが本当に楽しかった。飢えを満たすかのように、ただただ描き続けました。


筆
 先生に就いて教えていただいたのは3年半ほどです。
 その頃は幼稚園のお母さん達がうちに集まってお茶を飲むことが多かったのですが、「せっかく習ってるなら教えてよ」という声が出て、お昼を一緒に食べながらみんなでペインティングを楽しむようになりました。
 やがて友達がその友達を…と人が集まりだして、お月謝をいただいて教室を開くことにしました。そこからは人づてに次第に広がっていったのです。
 その頃からの生徒さんのなかには、今では自分の教室を開いている方もいらっしゃいます。
シェルフ  最初は和室を使っていましたが、家のリフォームに合わせてフローリングのアトリエを作りました。
 3年前に今の家に建て替える時、家の玄関とアトリエの入り口を別にしてプライベートときちんと切り離すようにしました。アトリエには土足のまま上がってもらえます。


 アトリエで教室を開くのは、第一・第三週の月曜日から木曜日までの毎日です。その中から生徒さんが都合のいい日を選んで月に2回習いにみえます。
 教室はそのほかにも、福岡市内と、福岡県郊外、そして熊本県で行っています。元気な時に、できることはできるだけ頑張ろうと思って。
カップボード

 子供づれのお母さん達も、自分のお子さんに責任を持ちながら習いにみえます。クーハンに赤ちゃんを寝かせながら習うお母さんもいらっしゃいますよ。そんな子供達の成長とともに、七五三の写真をいただくこともあります。「こんなに大きくなりました」って。


 自宅を教室にしていると、特に子どもが小さいうちは、「いってらっしゃい」「おかえりなさい」をちゃんと言えるということが本当に良かったと思います。他にも例えば宅配便が来たときなど、家にいれば都合のいいことはたくさんあります。
 でも生徒さんたちの出入りで、ご近所に迷惑をかけないようにという配慮はしなければなりません。だから駐車スペースは広く取っています。
ウエディングプレート
 
マルチローディング教室を始めてからも、自分の勉強は続けています。
 今はマルチローディングという手法のペインティングと、もともとやりたかったチャイナペインティングを定期的に習っています。一度こうと思ったら、必ずやらなければ気がすまないんです。
 東京や大阪からの講師のセミナーが福岡で行われれば、受講することもあります。

 ペインティングの教室は、お金儲けを考えるのではなく、生徒さんたちと一緒に自分自身がを楽しむことが肝心だと思います。
 そして自分の持てる技術は、惜しみなく教える。あれこれと制約しないということも大切です。
 自分の作品は世界に一つだけ。生徒さんが作品を家に飾って、「ああ、自分で描いたんだ」と喜んで満足してくれれば、それが幸せです。
 

テーブルセッティング 4月から金曜日と土曜日にアトリエで、ギャラリー&ティータイムを開こうと思っています。いつも人に囲まれていると、教室のない金曜、土曜が寂しくて。

 それから今年の秋は展示会を予定しています。詳しい事が決まるのはこれからですが、展示する作品はみんな今から力を入れて制作を始めています。

よしかわえいこ― 生徒さんたちの「自分の先生を紹介したい」という声に背中を押されて、作品写真集「優しいおもてなし」を出版された吉川さん。撮影は全てご自宅でされました。
吉川さんのホームページで購入できます。
優しいおもてなし・日本のトールペインター100人
 また、吉川さんは「日本のトールペインター100人」にも選ばれ、本に掲載されています。彼女の人柄をそのまま写したかのような優しい筆遣いは、誰が見ても本物です。

吉川さんのもとを巣立った生徒さんたちが開く教室は、福岡各地と関西・関東地区にも広がっています。ホームページからは各教室の情報も得られます。ぜひのぞいて見て下さい。
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