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新連載開始!! |
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「はっ、おばさん、この鍵、普通じゃないよ!光ったんだ!Bの文字が光ったんだよ!この鍵、魔法の鍵?」
「ああ、魔法の鍵さ!鍵に願うと、この世に有り得ない事が起こるんだよ!」
「本当に魔法の世界って有るの?」
「(注)昔から言い伝えられてきた事さ、本当にあるんだよ」
少年は鍵を握りしめ、ポケットに入れると、魔女みたいな女の人に頭を下げ、我が家へ向かって走っていきました。
「坊や、私にゃ見えるよ!あんたの幸せを掴んだ姿がね」魔女みたいな女の人は、少年の後ろ姿を見つめ呟きました。
エルガー作曲交響曲第一番3楽章〜ロンドン郊外の緑の小道
少年は教会の門を出て、路地裏のコンクリートの、がれきの山をピョンピョン飛び越え、町はずれの十字路に立ちました。 そしてポケットに手を入れて、赤い鍵を強く握りしめ、空を見上げました。
すると家族と過ごした思い出が甦り、笑みを浮かべた家族の顔が、空に映りました。少年は涙をこらえ「父さん、母さん、エミリー、何処へいったの?」と、さけびました。
空に映った家族の顔がだんだん薄れていくと、少年はうつむいて十字路を右へ進み、左の緑の生い茂った小道へと入っていきました。
「あれっ、足跡だ!道にいっぱい残っている、僕の靴跡だ!この靴でパンやハムを買いに何度も往復したもんな」
その時! 「ニャオ」
太ったオレンジ色の猫が、小道を横切って林の中へ入っていきました。
「ヒエッ、びっくりした!」
「ミャーミャー」
「子猫がいるんだ!」少年は林の中に入り、子猫をさがしました。
「やったぜ!チビが2匹いるぞ!おい、野良チビ!でっかく強くなるんだぞ!僕も強く生きるぞ!」
「フーッ、ニャーオー」親猫が少年に向かって声を出しました。
少年は、にっこり微笑んで猫に手を振り、さっきの小道へ出てきました。
少年は草むらに座り、草の葉を一枚摘んで吹きはじめました。曲目はグノー作曲アヴェマリア〜なんと美しい音色!少年の奏でる草ぶえは、澄みきった横ぶえの高い音色の様に聞こえました。
「そうだ!久しぶりに横ぶえ吹いてみよう」少年は急に思いついて立ち上がり、ピョンと飛び跳ねて高い木の枝に右手を付きながら駆けていき小道を抜けました。少年の後ろの方で、小鳥たちが集まり「ピヨピヨ」とさえずりました。
赤い花びらをまとった謎の美少女
小道を抜けると、ポツンポツンと数件の家が林の中に建っていました。
少年はひときわ目を引く白い木の柵で囲まれた、レンガ造りの2階建ての家の方へ走っていき、はあはあと息をきらしながら白い門に手をのせました。

と、その時、レンガ造りの家にパッと朝日が当って、少年の帰りを待ちわびていた様に見えました。
「父さん、母さん、エミリー?」少年は、白い門の中央に巻かれた針金をほどいて門の内側に回り、ポケットから赤い鍵を取り出し、白い門に手を触れました。

すると急にどこからともなく風が吹き寄せ、庭木の葉っぱが揺れ動きました。
サヤサヤサヤ!

少年は振り返り、家の扉から門まで続く小道を眺め、ふと庭のプラタナスの木を見上げました。
「すげぇ、あんなに葉っぱが揺れてる!」
その時、すっと見知らぬ少女の影がプラタナスの木の後ろの方で見えました。
「誰かそこにいるの?」少年はビクッとしました。
すると、妹のエミリーの声とそっくりな声がしました。
「お願い!その赤い鍵を私に返して!」
「エミリー!やっぱり生きてたの?」
少年は、だんだん現実の世界から遠のいていく様な気持ちがしてハッと息をのみました。
プラタナスの木の後ろから眩い赤色のバラの花びらを全身にまとった少女が現れたのです。
その少女は、プラタナスの木の根元に座り、手を合わせて少年を見つめました。
少年は茫然と、春の日差しの中で吹く風を体全体に受けながら少女を見つめていました。
次号へ続く〜お楽しみに
(注)魔法
イギリスでは、古くからケルト民族などにより、魔女、妖精、妖怪、魔法の杖などの魔法の世界が実際に有ると信じて伝えられてきたのです。
好きな音楽を聴きながら読む芸術童話。クリスマス、バースデープレゼントにもどうぞ。カントリーファンに贈るヨーロッパを舞台とした、かわいい伽話。幸せを呼ぶ不思議な妖精プルグリムの世界へ行って主人公マーガレットと一緒に、物語を冒険しましょう。

☆内容・挿し絵に感動されて、大阪日日新聞さん、宮崎日日新聞さんに取り上げていただきました。
http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/4-8355-8095-8.jsp