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新連載開始!! |
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「樹木の精霊グリーンマン」
辺りは、うっそうとバラが生い茂り、吹く風もなく、しんと静まり返り、ふたりの吐く吐息だけが聞こえて…、レオとトマスは怖くなり、立ちどまりました。
「ローズ!どこ!」レオが叫びました。
その時、レオとトマスの回りに、怪しげに咲き開く白いバラが、一斉にレオとトマスの方を向いて「ハハハハ」「フフフフ」と笑いました。
「ひゃぁ、やっぱり出た!」
「ト、トマス、こっ、これはきっと気のせいさ。目と耳を塞ぐんだ!」
レオとトマスはバラの茂みの中にうずくまり、そして……、だんだん意識がもうろうとしてきて身動きが取れなくなり……、
後ろの方で「コツコツコツ」と、丸太をたたく様な音が聞こえました。
びくっとしたトマスが、今にも死にそうな顔をして振り向きました。
「あんなとこに、切り株があったかな?」
トマスの1mくらい後ろの方の茂みの間に、丸太が1本、立っていました。
「はぁー?確か、目が付いていた!」トマスは、もう一度、振り返りました。
高さ1mほどの丸太に、葉っぱが生えていて、丸い目玉がクルクル動いていました。
トマスが突然、何かを思い出した様にレオをつっ突き、小声で言いました。
「えーと、あれは、そうだ!樹木の精霊グリーンマンがいる!」
「えっ、どこ?」
「僕の後ろ!」レオが振り返りました。
「レオ、ほら、あれだよ!こっち見て立ってる!グリーンマンは、妖精の存在を信じる者に、祝福を与えてくれるんだ。森や茂みの中で突然現れるんだよ。」
「へぇー、いきなり妖精のお出まし?ハハハ、あれはただの丸太だよ」
「あっ、いけない!忘れてた!レオ、早く靴を右、左、反対に履いて!」
「な、何でだよ!」
「いいから早く!」
レオはトマスの気が変になったのかもと思いながら、それでもトマスの言う通りに靴を逆に履き替え、トマスの仕草をじっと見つめました。
「何?」
トマスは靴を履き替えて、レオの不信な顔つきを気にしながらも喋り続けました。
「あっ、あー、グリーンマンってさ…、ほら見て!ほら!グリーンマンが僕達に祝福を与えてくれるって!」
「コツコツコツ」グリーンマンは音を鳴らし、両手の木の指をパッと広げてトマスとレオに差し出しました。
「ハハ、グリーンマンがウエルカム、ようこそ花屋敷へだってさ。ハハハ」
「ほんとだ!丸太が動いたよ!すごいぞ!おまえ、妖精の気持ちが分かるのか?」
レオとトマスは、グリーンマンの丸い目玉を見つめ、問いかけようとしました。すると、グリーンマンはクルクル体を回転させて、レオとトマスを飛び越えてバラのツルに体当たりしながら先へ進んでいき、すっと姿を消しました。
しばらくして体当たりされたバラのツルがニョキニョキ動きはじめ、真ん中にぽっかり穴を開け…、小さなトンネルが出来て、明かりが見えました。
「キャッホー!明かりだ!」
「レオ、庭だよ!庭が見える!」「花屋敷が僕達を受け入れてくれたんだ!」
人が、やっと一人通れるぐらいの小さなトンネルの先から明かりが差しこみ、レオとトマスは、立ち上がりました。
「この先、いったい何があるんだろう?」二人は不安な気持ちでいっぱいでした。
「なー、トマス、何で靴を逆に履き替えなきゃならないんだよ」
「グリーンマンに対する礼儀さ。グリーンマンは、いたずら好きなんだ。気に入らないと森や茂みに入った者を、あちこち連れ回して迷子にさせちゃうらしいんだ」
「ふーん、靴を逆に履けば、グリーンマンと心が通じ合えるって事なんだ。トマスの妖精知識が役に立ったな。おまえ、なんだかカッコイイぞ!」
「へへ、初めてカッコイイなんて言われたよ!」
「ハハハハ」「ハハハハ」レオとトマスは、靴を元に戻して履き替えると、トンネルの先の明かりの中に、ぽっかりと浮かび上がる、花の形をしたオブジェの様な噴水めがけて走っていきました。
「ローズ!僕達を置いていくなんてひどいぞ!」
「そうだよ!」
次号へ続く〜お楽しみに
※ 物語は実在するヒドコート.マナーガーデンの庭の造りとは異なっております。
好きな音楽を聴きながら読む芸術童話。クリスマス、バースデープレゼントにもどうぞ。カントリーファンに贈るヨーロッパを舞台とした、かわいい伽話。幸せを呼ぶ不思議な妖精プルグリムの世界へ行って主人公マーガレットと一緒に、物語を冒険しましょう。

☆内容・挿し絵に感動されて、大阪日日新聞さん、宮崎日日新聞さんに取り上げていただきました。
http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/4-8355-8095-8.jsp